眠りの悩みについて

不眠症

眠れずに日中の活動に支障をきたす睡眠障害

不眠症とは

眠りに関する悩みでもっとも多いのが、「不眠症」です。日本では、一般成人の約5人中ひとりに不眠が認められると言われています。
2014年、睡眠障害国際分類の改訂により不眠症の名称と定義が変更されました。「適切な睡眠環境にありながら、夜間十分に眠れない諸症状によって、日中の機能障害を伴う」という不眠症の一般的基準はそのままですが、これまで原因別に分けていた不眠症を、「慢性」と「急性」とに分けることとなりました。
また、診断名も不眠症ではなく「不眠障害」となりましたが、ここでは認知度が高い一般的な名称として「不眠症」と記しています。

CHECK!

「不眠症」にはこんな症状が現れます

布団に入ってから眠りにつくまで1時間以上かかる
トイレ以外で夜中に目が覚める
朝起きた時に疲れている
朝起きるのがつらい
早朝早くに目が覚めてしまう
1日の平均睡眠時間は5時間未満
夢ばかりみて眠った気がしない など

●気になる項目がある方は当クリニックにご相談ください。

不眠症の分類

1 慢性不眠障害

不眠症状が週3回以上の頻度で3カ月以上持続するもの

2 短期不眠障害

上記不眠症状が3カ月未満のもの

3 その他の不眠障害

入眠や睡眠維持困難の訴えがあるが、1と2の基準に合致しないものなど

また、不眠症のタイプも主観的要素が強い「熟眠障害」が削除され、下記の3つとなりました。
なお、これらは人により重複して起こる場合もあります。

不眠症のタイプ

1 入眠困難

布団に入っても30分~1時間以上寝付けない

2 睡眠維持困難

いったん眠りについても、夜中に何度も目が覚めてしまう

3 早朝覚醒

起きたい時刻の2時間以上前に目が覚め、その後眠れない

原因

「眠れない」原因には、精神的な抑うつが多く関連しています。当クリニックでも不眠の半数近くの方には「うつ」の症状が認められています。
次に多いのが、「神経質性不眠症(精神生理学的不眠)」と呼ばれる“いわゆる不眠症”の方で、これは、ある種の性格特徴がベースにもなっているようです。
※この他、後述する「むずむず脚症候群」や「周期性四肢運動障害」も眠れない原因の一つとなります。

治療

投薬治療

一般的に不眠症の治療には、睡眠薬や抗不安薬、抗精神病薬、抗うつ薬や抗てんかん薬などが用いられます。当院でも投薬治療を行っていますが、薬を服用して眠れるようになることを最終目標とは考えていません。当院は、「どうしたら薬を減らせるか」を常に念頭に置き、減薬の道筋を常に探りながら、治療終結という明らかなゴールを見据えた不眠症治療を行います。
また、患者さまご自身は現在の状態にご納得されていても、将来薬をやめるために、よりやめやすい薬へ、安全な薬へと変更する提案も折を見て続けています。

認知行動療法

薬物を使用しない、または薬物を減らしていく治療法として、当クリニックでは臨床心理士による「認知行動療法」を行っています。不眠症に対する認知行動療法は科学的に効果が認められており、また再発しにくいという特徴があります。
生活面の指導としては、「“縦”の生活」を提唱しています。これはどんなに疲れても昼間は絶対に横にならないというもので、日常の中で意識していると不眠症の改善にも役立ちます。

過眠症

過度の眠気や、眠り足りない感覚を訴える睡眠障害

「過眠症」とは

「過眠症」とは、長時間の睡眠を欲するものと、日中の眠気を訴えるものとがあります。
以前は過眠症といえば、「睡眠時無呼吸症候群」だけが注目されてきましたが、近年もっとも目につくのは「行動誘発性睡眠不足症候群」、いわゆる“寝不足”の患者さまです。
この他、有名な疾患として睡眠発作という強烈な眠気をきたす「ナルコレプシー」がありますが、同様に主に日中に睡眠発作をきたす疾患として「特発性過眠症」が知られています。

CHECK!

「過眠症」にはこんな症状が現れます

テレビを見ているとつい寝てしまう
車に乗ると1時間以内に眠くなる
本を読んでいると眠くなる
座っていると眠くなってしまう
昼食後よく眠くなる
友人と話していると眠くなる
車の運転中に信号を待っていると眠くなる

●気になる項目がある方は当クリニックにご相談ください。

原因

過眠症の原因にはまず、夜間の睡眠の質が悪い、もしくは睡眠の量が足りないということが考えられます。
睡眠の質が悪くなるときの代表的な疾患が「睡眠時無呼吸症候群」であり、睡眠の量が足りなくなる場合の代表的疾患が「行動誘発性睡眠不足症候群」です。
「ナルコレプシー」や「特発性過眠症」についてはまだ原因が解明されていませんが、「ナルコレプシー」は脳の神経伝達の異常との見方が主となっています。
しかし、なかにはこれらの原因に当てはまらない過眠症の患者さまも多くおられ、発達神経症(発達障害)などにより昼間の生活に困難を感じている方や、過剰な気遣いからストレスを多く抱えている方などが見受けられます。

「行動誘発性睡眠不足症候群」とその治療法

仕事など昼間の生活を送るために必要な意欲や集中力を保つのに適した睡眠時間が取れておらず、なおかつその自覚がない症状をいいます。特に若い方は、睡眠時間は5、6時間も取れば十分であると考えている方が少なくありません。

北九州市の高校生の平均睡眠時間は「5時間24分」!!

私たちが北九州市の高校生(数百名)にアンケートをした結果、平均睡眠時間は5時間24分でした。日本の平均睡眠時間は先進国の中でも少なく、平日で7時間14分(2010年国民生活時間調査)ですが、北九州市の高校生の睡眠時間はこれよりも少ないということが分かったのです。

治療

まずは必要な睡眠が足りてないということに気付くことが先決です。
しばらくは睡眠時間を2時間程度増やし、日中の活動や睡眠を活動記録表に記録していただきます。こうした睡眠時間の延長と、記録を通して睡眠と日中の生活やパフォーマンスとの関連について自覚していただくことが重要なのです。
睡眠時間を増やすことが難しい方は、生活の見直しを行ったり、周囲から得られるサポートについてカウンセリングで話し合っていくことも大切です。

「ナルコレプシー」とその治療法

「ナルコレプシー」は昼間の過剰な眠気や居眠りのほかに、感情が高ぶった時に局所もしくは全身の力が抜ける“情動脱力発作”や金縛りのような“睡眠麻痺”、“入眠時幻覚”がしばしば認められる疾患です。さらに「睡眠発作」といって、通常では居眠りするとは考えられないような状況下でも耐え難い眠気に襲われて居眠りをしてしまいます。
日本での有病率は0.16~0.59%という報告があり、男女問わず10歳代に多く発症するといわれます。睡眠や覚醒を制御することで知られる「オレキシン」という神経ペプチドを作る神経細胞が消失していることが主な原因といわれています。

当クリニックの「治療」

医師の指導のもと投薬によって治療を行います。モダフィニールという薬が主に用いられます。また情動脱力発作や睡眠麻痺、入眠時幻覚などに対しては、クロミプラミンという抗うつ薬が有効です。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に何度となく呼吸が止まる疾患

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠中に何度となく呼吸が止まるのが「睡眠時無呼吸症候群(以下SAS)」です。
多い人で1時間に数十回、長い人で1分から1分半も息を止めてしまいます。
しばらくの間呼吸が止まれば、脳が覚醒して呼吸を再開させることになりますが、それを一晩中何十回、何百回とこれを繰り返すことになるので、質の高い睡眠ができません。そのため本人は眠ったつもりでも睡眠がきちんと取れていないのです。
SASは子どもが発症すると体を動かすのがおっくうになって不登校や引きこもりになったり、成長ホルモンの分泌が抑えられて発達が遅れるケースもあります。また成人でも放置しておくと、高血圧、糖尿病、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などのリスクも高まるので、注意が必要です。

CHECK!

「睡眠時無呼吸症候群」にはこんな症状が現れます

「ガーッ」という大きないびきをかく
眠っても疲労感が取れない
上を向くといびきが大きくなる
頭痛
いびきが朝まで続く
口が渇く
いびきの音に強弱がある
ED(勃起障害)
日中に強い眠気がある
抑うつ傾向がある
居眠りしてしまう

●気になる項目がある方は当クリニックにご相談ください。

原因

SASは30~60歳の肥満した男性に多くみられる疾患です。肥満はもっとも大きなSASのリスクファクターです。しかし、日本人は顔面の骨格構造の特徴により、太っていなくてもSASになりやすいと言われ、子どもや女性でもSASになる可能性があります。女性の場合、閉経を迎えると女性ホルモンの分泌が急激に低下しますが、それによっていびきや無呼吸を引き起こしやすくなります。

当クリニックの治療

当クリニックではPSG検査を行い、正確なSASの診断を行うことが可能です。また、CPAP療法に習熟した医師や診査技師の的確なアドバイスにより、快適な睡眠を取り戻すことができます。その他、マウスピース治療なども行っております。

軽症と診断された場合
  • 歯科装具を作成して装着し、睡眠時の気道を確保します
    (歯科装具を作成した場合は、作成後1~3カ月後を目安に効果を判定します)。 ※保険適用
  • 生活習慣の改善指導を行います。
重症と診断された場合
  • CPAP療法(シーパップ療法・経鼻的持続的陽圧呼吸療法)
    PSG検査と同じセンサーをつけて一晩眠っていただき、処方圧を決定します。
    ※CPAP装置は保険適用・レンタル装置のため定期的な受診が必要。
  • 耳鼻科的手術
    耳鼻科的な手術によって気道を確保する方法です。

概日リズム睡眠障害

昼夜のサイクルと体内時計が合わない睡眠障害

概日リズム睡眠障害とは

昼夜のサイクルと、体内時計のリズムがずれてしまっているために、夜から朝という一般的な睡眠時間帯に眠ることができず、日中の社会活動に影響をきたしてしまう睡眠障害です。

概日リズム睡眠障害のタイプとその症状

1睡眠・覚醒相後退障害

睡眠時間帯が後ろにずれ、深夜や明け方にしか眠れなくなります。

2睡眠・覚醒相前進障害

睡眠時間帯が前にずれ、夕方や夜の早い時間などに眠くなります。

3不規則睡眠・覚醒リズム障害

睡眠・覚醒の明確なリズムに欠け、不規則で分断された睡眠となります。

4非24時間睡眠・覚醒リズム障害

体内時計がリセットされず、寝起きの時刻が毎日1~2時間ずつ遅れていきます。

5交代勤務障害

夜勤を含むシフト制勤務により、寝付きが悪く、すぐに目が覚めてしまいます。

6時差障害

いわゆる時差による睡眠障害で、短期間の一過性不眠や心身の不調を起こします。

7特定不能の概日睡眠・覚醒障害

上記のいずれにも属さない特定不能の睡眠障害です。

当クリニックの治療

治療にはメラトニン受容体作動薬を中心に、必要に応じて睡眠薬やビタミンB12などの薬剤を用います。さらに光治療を行ったり、心理的な要因が大きいと診断されたりした方には、臨床心理士によるカウンセリングもおすすめしています。

REM睡眠行動障害

子どもや高齢者によくみられる“ねぼけ”の症状

REM睡眠行動障害とは

子どもに見られる“ねぼけ”の症状では、「睡眠時遊行症」や「夜驚症」があります。これは成人になるにつれて消失していくので、周囲はあまり神経質にならずに見守ってあげるとよいでしょう。
ここでは特に高齢者に起こりやすい“ねぼけ”に似た症状で、「REM睡眠行動障害」について紹介します。具体的には眠っている間に夢体験に関連して殴る蹴るなどの暴力的な行動を起こし、パートナーやペットを驚かせたり、自身もケガをしたりするような症状が現れます。

原因

本来は夢を見ている時(REM睡眠時)は筋肉が弛緩して身体の動きは抑えられているので、夢の中で激しく動いても実際の動きに現れることはありません。
ところがこの身体の動きを抑える脳機能が障害を受けると、実際の行動に出てしまうようになります。
途中で目を覚まさせることが容易で、その時に「夢を見ていた」ことが自覚できるのも特徴です。

当クリニックの治療

医師の指導のもと投薬治療を行うのが効果的です。一般的な治療薬の他にも漢方薬を用いたり、メラトニン受容体作動薬を用いることもあります。

睡眠関連運動障害

脚の“むずむず”や歯ぎしりなど睡眠を妨げる症状

睡眠関連運動障害とは

睡眠時の身体の症状によって睡眠が妨げられる症状をいいます。「歯ぎしり」や「周期性四肢運動障害」などがありますが、代表的なものは「レストレスレッグス症候群(RLS)」です。
これは別名「むずむず脚症候群」ともいい、静かに横になったり座ったりしている状態で、痛みを伴うこともある不快な下肢の異常感覚により、脚を動かしたいという強い欲求が起こる神経疾患です。
むずむず、チクチクする感覚、ひりひり熱い、虫が這うような感覚や静脈の中でコーラが泡立つといった異常感覚が起こり、脚を動かすことで症状が軽減されます。夕方から夜に症状が重くなるので、不眠症を起こしやすくなります。

原因

鉄分の不足が深く関与しているとみられるほか、神経背側視床下部に存在するドーパミン神経核の機能低下などが関与していると考えられています。
有病率は欧米で5~10%、日本で2.5%くらいあるといわれています。

当クリニックの治療

鉄やフェリチンなどを血液検査で調べ、鉄が不足している場合は補います。その他は投薬治療を用いることが多く、ドーパミン受容作動薬の内服や貼り薬の貼付は保険適応内であり、多く用いられます。必要に応じて抗てんかん薬の一部を用いることもあります。

起床困難

朝、起きられずに学校や職場へ行けない症状

起床困難について

小中高生や入社5年目くらいまでの社会人を中心に、近年受診される方が増えてきている症状です。
起床困難の方の多くは、目覚まし時計の音がまったく聞こえません。幾度も誰かに起こされたことすら、まったく覚えていないのです。そして、起きられないことが原因で学校や職場を休むようになり、社会生活が困難になります。頑張って起きようと努力を続けても、起きることができない。これが起床困難です。
起床困難は、本人の根性や気合の不足・怠けによるものではありません。専門家による治療が必要な状態ですので、ご本人はもちろん、お子さんの症状が気になる保護者の方はお子さんと一緒にぜひご来院ください。

原因

就寝時間が遅いことが大きな原因となっています。特に近年では、単なる夜ふかしではなく、パソコンやスマートフォンなどのディスプレイを就寝直前まで見ていることが多く、夜に強い光を浴びることで体内時計が狂い、睡眠に異常をきたすのです。また、何かに夢中になって寝る時間がつい遅くなってしまうADHD(注意欠陥多動性障害)との関連性も言われています。

当クリニックの治療

起床困難には、「心理学的治療」と「生物学的治療」の両方が必要です。起床困難には不登校治療が合わせて必要なことも多いため、心理学的治療では、当院の臨床心理士による丁寧なカウンセリングを行います。また、朝、起こす役割として、母親の関わり方が影響しているケースも多いため、お子さんの場合はお母様ともお話をさせていただきます。
生物学的治療では、体内時計を司るメラトニンと同じような作用をするメラトニン受容体作動薬を用いて体内リズムを整えるとともに、夜は照明を落としてディスプレイなどの強い光を浴びないようにし、朝はカーテンを開けてしっかり太陽光を浴びるといった光の作用も取り入れ、体内時計を動かすサポートを中心に行います。
また、当院で推奨しているのが「自起き訓練」です。人間は本来、「あしたの朝は何時に起きる!」と寝る時にしっかり頭に叩きこめば、目覚まし時計を使わずにその時間に起きられる力を持っています。この訓練を試していただくことで、人によって短期間で大きな効果が上がることがあります。

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